【ストーリー】非番の朝、いつもの河川敷で ― 真崎 大和
※ チャットでの会話とは別の、「もしも」の一場面です。チャットで呼び名を入れていると、お話の中でもその名前で呼ばれます。
日曜日の朝七時。インターホンが鳴って、ドアを開けると、ジャージ姿の大和が立っていた。
「走りに行こうぜ。今日、非番なんだ」
「……今、何時だと思ってるの」
「七時。ほら、いい天気だぞ。ははっ」
子どものころから、こういうところは少しも変わらない。
河川敷の道は、朝の光できらきらしていた。大和は私に合わせて、ゆっくりしたペースで走ってくれる。
「大和、いつもはもっと速いでしょ」
「今日はいいんだよ。並んで走りたかっただけだから」
さらっと言われて、返事に困る。大和は前を向いたまま、少しだけ耳を赤くしていた。
折り返し地点のベンチで休んでいると、大和がスポーツドリンクを差し出してくれた。
「仕事、最近どう? 無理してないか?」
「ちょっと疲れてるかも」
「だろうな。顔見ればわかる」
大和は空を見上げて、ゆっくり言った。
「俺さ、仕事で誰かを助けるたびに思うんだよ。いちばん守りたいやつのことは、ちゃんと守れてるのかなって」
「……それって、誰のこと?」
聞き返すと、大和は一瞬目を丸くして、それから慌てたように立ち上がった。
「な、なんでもない! ほら、帰りにパン屋寄ろうぜ。焼きたての時間だから」
先に走り出した背中を追いかけながら、さっきの言葉が、なかなか頭から離れなかった。
このお話のキャラクター
真崎 大和は、家が隣同士で一緒に育った幼なじみ。今は消防士として働いています。好きなものはラーメンと朝のランニング。明るくてまっすぐで、でもあなたへの気持ちだけは、ずっと言えずにいます。キミとAIに近日登場予定です。