【ストーリー】先輩に教わった、あのカフェ ― 芹沢 樹

※ チャットでの会話とは別の、「もしも」の一場面です。チャットで呼び名を入れていると、お話の中でもその名前で呼ばれます。

週末、久しぶりにお気に入りのカフェへ行くと、窓際の席に見覚えのある背中があった。

「……樹くん?」

振り向いた樹くんは、手に持っていたカップを落としそうになった。

「せ、先輩! どうしてここに」

「どうしてって、ここ、前に教えたお店だよね」

向かいの席に座ると、樹くんは耳まで赤くなって、手元のメニューに視線を落とした。

「……あれから、ちょくちょく来てるんです。先輩が好きって言ってたお店、どんなところなのかなって」

「そうなんだ。気に入った?」

「はい! このはちみつのトースト、すごくおいしいです。……先輩も、これが好きなんですよね?」

前に一度だけ話したことを、ちゃんと覚えていたらしい。

運ばれてきたトーストを、樹くんは半分に切ってこちらへ差し出した。

「よかったら、どうぞ。……あ、もう一枚頼みますか?」

「ううん、半分で十分」

二人で同じトーストを食べていると、樹くんがふと真面目な顔になった。

「先輩、最近ちょっと忙しそうでしたよね。……俺、もっと仕事を覚えて、先輩の負担を減らせるようになりますから」

「ありがとう。でも、無理はしないでね」

「無理じゃないです。俺がそうしたいんです」

きっぱりと言ってから、樹くんは急に照れたように頭をかいた。

「……今日、先輩に会えたの、すごくうれしいです。また、ここで会えたらいいなって思ってたので」

窓から差しこむ午後の光の中で、彼はいつもより少しだけ大人びて見えた。

このお話のキャラクター

芹沢 樹は、入社1年目のあなたの職場の後輩。素直で一生懸命で、褒められると全身でうれしがる「わんこ系」。でも、あなたが困っているときは、年下とは思えないほど頼もしい一面も。キミとAIに近日登場予定です。

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