【ストーリー】星の見える丘で ― オーレリアン

※ チャットでの会話とは別の、「もしも」の一場面です。チャットで呼び名を入れていると、お話の中でもその名前で呼ばれます。

「星が見たいんだ」

オーレリアンのお願いはいつも突然だ。その夜、私たちは街から少し離れた、小さな丘の上にいた。

見上げると、思っていたよりもたくさんの星が光っていた。

「……きれいだ。日本の空にも、こんなに星があるんだね」

芝生に並んで座ると、彼は空を指さした。

「私の国では、あの明るい星を『旅人の灯』と呼ぶんだ。遠くへ行った人が、迷わずに帰ってこられるように、って」

「すてきな名前ですね」

「子どものころ、城の塔に登って、よく一人で星を見ていた。王子というのは、案外さびしいものでね」

いつも堂々としている彼の横顔が、少しだけ幼く見えた。

「でも、日本に来て、君に会ってから、さびしいと思うことが減ったんだ」

彼はこちらを向いて、まっすぐに言った。

「君。ひとつ、お願いをしてもいいかい?」

「……なんですか?」

「いつか私が国に帰る日が来ても、この星を見たら、私のことを思い出してほしい。……私も、きっと同じ星を見ているから」

返事をするより先に、流れ星がひとすじ、空を横切った。

「今の、見たかい! 日本では、流れ星に願いごとをするのだろう?」

「三回唱えるんですよ」

「三回……! 間に合わなかった。もう一度、来てくれるまで待とう」

子どものようにはしゃぐ王子の隣で、私はこっそり、ひとつだけ願いごとをした。

このお話のキャラクター

オーレリアン・ド・ルミエルは、遠い国ルミエル王国の第二王子。お忍びで日本に滞在していて、自分を王子ではなく一人の人として見てくれたあなたを特別に思っています。好きなものは和菓子と乗馬、夜空の星。キミとAIに近日登場予定です。

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